今日ある命

大好きなあなたへ

彼女と初めて出会ったのは、大学へ向かうバスの中でした。同じ会社に勤めていましたが、部署が違うし、1つ先輩だったので、お互いの部署を訪ねたのが初めての会話でしたね。

その後たまたま同じ職場に就職し、同じ四国出身ということもあり、姉となり、親友となり、とても仲良くなりました。会話も弾み、飲みに行ったり、ドライブ行ったり、ディスコへ行ったり、時には職場の先輩の愚痴を言い合い、朝まで飲んだこともありました。海に行って花火をしたり、何も予定がない時はただ部屋でお茶をするという毎日が続いていました。

そんなある日、彼女が「見て」と胸にできたしこりを見せてくれたのです。それから病院に行き、乳ガンと診断、そこから彼女の闘病生活が始まりました。乳房の切除、リハビリ仕事への復帰、退職、再就職短い間に目まぐるしく彼女の周囲で変化が起きました。

体が少し良くなった頃に、あなたは病院にも行かなくなり、薬も飲まなくなりましたね。そのことでよく私と喧嘩しました。どうして薬を飲まないの、「どうして病院に行かないの？」といい「私の気持ちはあなたにはわからない」と「命が関わっているんだから、お願いやから行って」と何度も何度も何度も言いました。

結局行き始めた頃にはもう手遅れになっていました。病院に行くようになってから1年、彼女は帰らぬ人となりました。もっと違う言い方をしていればよかったのかな？もっと上手に話できてたらよかったのかな？もっと上手に励ましてあげれたら良かったのかな？と今でも時々思います。

今日ある命、大切に生きていこうと教えてくれたあなたに、とても感謝しています。またいつか私もそちらに行きますので、仲良くしてください、ありがとう。

お気に入りに入れる