他界したおばあちゃんへ

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おばあちゃんへ

 去年の十一月に祖母は他界しました。いつもたくさんの野菜を作ってくれていました。誰よりも雪かきが好きで雪の日の次の日は、率先して外へ飛び出していました。野球が好きで巨人の事を「うちのとこ」といつの間にか家族のように扱っていました。

 そんな祖母が五年前に認知症にかかり、家族の顔もわからなくなって、迷惑ばかりをかけるようになって、ついには歩けなくなりました。
 認知症は本当に怖い病気で、仲の良かった母との関係も悪くなり、嫁姑の関係が崩れたところから、僕の家の家庭もあまり良いものではなくなっていってしまいました。

 そして、施設に預けられ闘病から六年肺炎で祖母が亡くなりました。僕はそれまでは自分の仕事の事もいい加減で、友人関係も雑多にこなすような人間でしたが、祖母がなくなったことから、いつでも見守られているような気持ちになりました。

 仕事の一つ一つが誰かの笑顔を作っていると意識するようになりました。そして少しだけ神仏に目覚め二週間に一度神社に参拝するようにもなりました。

 もういない人への感謝の気持ちというものが芽生えるとは自分でも思っていませんでした。いないからこそ、そして家族として過ごした人がいなくなったことが初めての経験だったからこそだろうと思っています。

 おばあちゃん。ありがとう。

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