お父さんの作ったトウモロコシ

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亡くなった父へ

お父さん、
あなたが3年前の冬に亡くなって3年か経ちました。

私は毎日元気でやっています。

それにしても、あんなに元気で90まで生きると思っていたのに、83歳で脳梗塞になってしまった時は、驚いてしまいました。

寝たきりの生活はとても辛かったことでしょう。

それでも、半身が不自由になった身でありながら、相変わらず自分に出来ることは自分でして、わがままに言いたいことを言う様には、なぜだからこっちが元気づけられました。

不思議なものですね。

亡くなる寸前に、あれだけあなたに苦労させられて、愚痴ばかり言っていたお母さんが『お父さん ありがとう』と言っていたけど、つくづくあなたは愛されて生きていた人でした。

何も無い考えずに自分の思うように生きていると見せかけて、人一倍ものごとの本質を伝えたいと思っていたでしょう。

私だって、何も分かっていないようでそれぐらいは知っていたのですよ。

本質と言えば、私は『何が食べたい?』と人からきかれると、いつもあなたが畑で作ってくれたトウモロコシを思い出すのです。

糖分の多い、甘くて美味しいトウモロコシ。虫がついて葉を食べてしまわないように、丁寧に虫取りをして育てたトウモロコシ。

私は今もいつだってあなたが作ったトウモロコシが食べたいのです。

どんなに高級で希少で特別価値の高い食事よりも、私にはあなたが茹でてくれた採れたてのトウモロコシがご馳走です。

お父さん、美味しいトウモロコシをたべさせてくれて本当にどうもありがとうございました。

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