いつでも会えると思っていたのに

共通の趣味でSNSで知り合った友達がいました。

同じ県に住んでいたので、よくカラオケに行って盛り上がったり、食事に行ったり、本当に楽しいことばかりでした。
回数を重ねていくうちに、やがて悩みなど深い話を出来るような仲になりました。

彼と他県の仲間と一緒に、東京へライブへ行ったのが一番の思い出でした。
ライブ中に一緒に造花のひまわりを振って、会場はひまわりで溢れました。
あの光景はとても綺麗で、今でも忘れられません。
ライブの余韻に浸り、会場の近くでみんなでお喋りしていたら、私は終電を逃してしまいました。

同じ県とはいえ、私が住んでいる所から友達が住んでいる所まで、往復で4時間…
しかし彼は私を車で家まで送ってくれました。
会話が盛り上がって大笑いして、本当に幸せな時間でした。
これが最後だと知らずに…

その後私は仕事が忙しくなり、彼と会う時間がなくなってしまいました。
同じ県に住んでいるから、会おうと思えばいつでも会える。
そう思っていました。

数か月後、彼のお母さんを名乗る方からハガキが届きました。
「息子が心不全で亡くなりました」と。
ハガキに彼のお母さんの電話番号が書いてあったので、急いで電話しました。
初めは冗談かと思ったのですが、電話口で彼のお母さんが泣きながら話していて、これは本当なんだなと気付きました。

彼が好きだったひまわりの花を持って、彼の家へお線香をあげに行きました。
彼のお母さんが
「息子はさにーさんの話をよくしていましたよ」
なんて言っていて、涙が止まらなくなってしまいました。

いつでも会えると思っていたのに、彼はもう二度と会えない、天国へ行ってしまいました。
いつでも会えると思っていたから言えなかった、ありがとう。

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