青春をありがとう

投稿者 

初恋のあなたへ

小学6年生のある日。

テレビで偶然あなたを見かけました。
楽器を演奏しながら、派手な衣装で歌を歌っている姿。
一瞬で引き込まれ、一瞬で大好きになりました。
その日以来、新聞のテレビ欄であなたの名前を探す毎日。
少ないお小遣いを貯めて、あなたが載っている雑誌を買い集めました。
初めて買ったCDも、もちろんあなたのいるバンド。

小学6年生のあの日から、あなたのバンドが解散するまでずっと大好きでした。

小学校の卒業アルバムの将来の夢を書く欄。

「雑誌記者になりたい。」

そう書きました。いつか、雑誌記者になって、あなたにインタビューがしたい。
直接色々な話を聞いてみたい。そう願って、書きました。

中学を卒業する少し前、バンドが解散することが発表されました。
まるで世界がひっくり返ってしまったような、絶望感。
もう会えない、もう新しい歌を聴くこともできない。
そして絶望の中、発表されたもう一つの驚愕の事実。

あなたは結婚していた。子供まで生まれていた。

中学生の私には、衝撃的すぎて受け入れることができませんでした。

嫌いになってしまえば楽になれる。
歌を聴かなければ、接点がなくなれば、忘れられる。

そう思って、ずっとずっとずっと考えないようにして生きてきました。

あなたとの青春がいい思い出になった、そんなある日。
Yahooのトップニュースで、あなたが亡くなったことを知りました。

もう遠い過去になっていたはずなのに、遠い存在の人だったはずなのに、
涙が止まらず、それから数年の間、心に重いオモリが乗ったまま。

未だに思い出して、心が暗くなります。
でも、心の底からあなたには感謝しています。
私の青春時代に、あなたと出会えたこと。同じ時代を一緒に過ごせたこと。

本当に本当にありがとう!

FavoriteLoadingお気に入りに入れる
ハートを送る を送る (16
Loading...
スポンサーリンク
>>新しい手紙一覧へ
>>新しい手紙一覧へ