- 「ありがとう」コラム
- 2018.08.19
スポーツで好成績を出す!感謝の実践トレーニング法とは?
野球、サッカー、ゴルフ、フィギアスケート、マラソン…スポーツ選手のインタビューを聞いていると、「支えてくださった方々に感謝をしたい」、「応援ありがとうございます」など、感謝を伝えている人が多いな、と感じたことはありませんか?
こうした感謝を伝えるスポーツ選手の方が好感度が高い、ということもありますが、実はスポーツのパフォーマンスを上げるためにも、感謝の気持ちを持つ方がよいという裏付けがあります。
今回は、アスリートはもちろんのこと、そうでない人にとっても有効な、自分自身の本来の力を発揮する、感謝の実践トレーニング法についてご紹介をします。
大切な場面に訪れる「ストレス」とは?
スポーツ選手が高いパフォーマンスを上げるために、ここぞ!という本番に心身共に安定した状態を保つ必要があります。また、ツライ練習に耐え続け、コツコツ継続する精神的な強さも大切ですよね。
スポーツ選手でなくても、人前で話したり、試験だったり、重要なタイミングに、心身共に安定した状態をつくったり、何かを頑張り続けなければいけない時もあります。そんな大切な場面で、私たちの最大の敵となるのが「ストレス」です。
「緊張のあまりに頭が真っ白になった」「イライラして仕事に集中できなかった」などの経験は、まさにこのストレスによる体の反応が起きている状態です。
人は、不安や緊張、イライラ状態など、ストレスを感じると、脳の視床下部という部分に信号が送られて、心臓の鼓動が乱れます。心拍が乱れてしまうと、脳の機能に悪影響を与えてしまい、落ち着いて考えることができなくなってしまいます。つまり、ネガティブになってしまったり、目の前のことに集中することが出来なくなってしまいます。
このストレスをコントロールするために、スポーツ選手の間でおこなわれているのが「メンタルトレーニング」です。特にコヒーレンス法(心臓呼吸)とよばれるトレーニングは、15年以上にわたるストレス研究から生まれた、心拍リズムを安定させるトレーニングで、スポーツ分野や、企業、病院などでも取り入れられています。
心身を安定させる「コヒーレンス法」とは?
コヒーレンス法は、「感情」と「心臓」の関係を研究するアメリカのハートマス財団の実験によって効果が実証されたメンタルトレーニング方法の一つです。
例えば、マッサージを受けたり、お風呂にゆったりつかったりすると、リラックスできますよね。この状態は、自律神経の「副交感神経」が優位な状態ですが、リラックスしすぎると眠くなってしまうこともあります。
逆に体や頭が活発に活動しているときは「交感神経」が優位になりますが、緊張しすぎると頭が真っ白になってしまったり、イライラしすぎて感情コントロールができなくなるということもあります。
スポーツなどで最もよいパフォーマンスが発揮できるのは、交感神経と副交感神経がどちらもバランスよく働いていている状態。緊張しすぎることなく、リラックスしすぎることのない「ゾーン」とよばれる状態が、最も高いパフォーマンスを上げられるといわれています。
その理想的な「ゾーン」状態を作るための方法がコヒーレンス法です。
いつでもどこでもできる「コヒーレンス法」の手順
では、コヒーレンス法の手順を説明します。
2)ストレスから気持ちを切り離すために、心臓周辺に意識を向けます。このとき、心臓の鼓動を意識しないようにします。
3)心臓周辺に空気の通り道があるようなイメージをしながら、4~5秒の感覚で深呼吸を繰り返します。
4)心臓呼吸を繰り返したあとに、周りにいる人たちへの「感謝」や「いたわり」「愛情」といった肯定的な感情を思い浮かべます。難しい場合は、自分が落ち着ける景色や趣味などを思い出すところからはじめても大丈夫です。
これが、コヒーレンス法の手順です。慣れてくると「ゾーン」状態を作りやすくなります。
スタンフォード大学名誉教授らによって行われた科学的な実験では、「感謝」「いたわり」「共感」といった感情を思い出すことが、心拍リズムが一貫性のある波を打つ「コヒーレンス状態」に整えるためにもっとも効果的だといわれています。
呼吸と感謝の気持ちで、心身共に強くなる
コヒーレンス法は、いわゆる「リラックス法」ではないことが特徴です。呼吸を吸うことは交感神経を優位に、吐くことは副交感神経を優位にするため、これを交互におこなうことで、交感神経と副交感神経のバランスを整えます。
さらにここで、感謝の気持ちを持つことで、心身共によりよい状態を保つことが出来ます。
コヒーレンス法の効果として、
- ホルモンバランスの改善
- 体の免疫機能の向上
- 集中力・思考力の向上
- ストレスコントロールの向上
といったことがいわれています。つまり、呼吸と感謝によって、「心も体も強くなる」ということがいえそうです。
スポーツ選手だけでなく、私たちが自分自身の本来の力を発揮するためにも有効な方法です。
1日1回でもよいので毎日継続することがポイント。隙間時間にいつでもどこでもできるので、生活の中にゆったりした呼吸を取り入れること、そして「感謝の気持ち」をもつことを、ぜひ取り入れてみてくださいね。
大学卒業後、大手証券会社、広告会社、IT会社に勤務し、営業、企画、制作、新規事業立ち上げなど幅広い業務を担う。人が本来のパフォーマンスを発揮するために必要な心のあり方、脳の使い方を学び、実践。2016年にフリーランスとなり、研修講師、ライター、カウンセラーとして活動を開始。人が幸せに生きて働くためのサポートをおこなう。