お料理上手な母へ感謝の気持ち

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お母さんへ

幼い頃から食べる事が何よりも大好きな私でした。
私の食いしん坊のDNAは完全に母譲りです。
母の作るご飯が大好きで毎日お腹がパンパンで苦しくなるほど
よく食べていました。

家族は、母と兄が3人。子供4人を養うために、母は朝から晩まで働き
ヘトヘトだったはずなのに、いつも美味しいごはんを作ってくれました。

手作りする事が好きなようで冷凍食品やレトルト、お惣菜はほとんど
食卓に並ぶことはありませんでした。
餃子は皮から手作り。
骨付きチキンを買い、肉は唐揚げに、骨をダシにして作るラーメンスープは
絶品でした。

一度だけ、母が仕事で帰りが遅くなりミートソースの缶詰を買って来たことを覚えています。兄弟みんな母の作るミートソースが大好きだったので
缶詰がとても不味く感じ、不満をぶつけました。

「もうこんなの買ってこないでね!」
「ちゃんと作ってほしい。」

今思い返すと、疲れて帰ってきた母になんて心無い言葉なんだと胸が痛みます。

母は幼い頃から家族の為に料理をしていた人だったと聞いたことがあります。
母の父親が早くに交通事故で亡くなり、10人の子供たちを抱え母親が父代わりに
外に働きに出ていたと。10人兄弟の8番目の私の母親が毎日食事の支度をしていたそうです。

いつも台所に立つ母を見て育った私も、やはり料理が好きになりました。
料理のコツを聞いたら、
「愛情込めて作ること」と教えてくれました。

おたまで料理をかき混ぜながら
「美味しくな~れ!美味しくな~れ!」を呪文を唱える母は
娘の私が言うのもなんですが、とても可愛らしかったです。

そんな母は49歳の時に、脳腫瘍で亡くなりました。
余命半年という宣告でしたが、1年と半年がんばってくれました。

母の居ない生活はつらく、立ち直るまでに何年も、何年もかかりました。
出掛けた先で、母娘2人で歩く人々を見るとすーっと涙がこぼれました。

他界から10数年、私はようやく人生のパートナーと出会い
新しい家族が増えました。

私も今、母のようにフルタイムで仕事をしながら家事をしています。
夫一人で子供はいないので、大変さは母とは比べ物にならないですが
しんどい日は少なくありません。

ただ、今日何食べたい?と夫に聞くと
返ってくる答えは、母直伝の料理です。
その度に、一生懸命だった母を思い出し、美味しくな~れ!、美味しくな~れ!と
呪文を唱えながらご飯支度に励みます。

とても口数少なく、家であまり自分から言葉を発しない夫ですが
作ったご飯を一口食べて、
「美味しいなぁ~。」とか
「美味い!」と言ってくれると疲れも吹っ飛びます。

お母さん、美味しいごはんで私を育ててくれてありがとう。
美味しいごはんの作り方を教えてくれてありがとう。

岩海苔の佃煮の作り方を聞きそびれてしまったよ。
どうやってもあの味にならないけど
いつか同じ味になるように頑張るね!

愛情込めて・・・。

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