頑固一徹だった父にありがとう

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亡くなった父へ

父は、国鉄マンでした。機関士で、日勤もあり、また、夜勤ありで、大変不規則な勤務時間でした。

例えば遠い都市への汽車を運転し勤務すると、その地で一泊し、違う汽車で帰って来ます。従って、お昼前に帰って来ることもありましたし、夜に帰って来ることもありました。とても不規則な生活で、母は、健康管理に気を付けていました。

仕事柄、時間にはうるさく、遅刻という言葉はありませんでした。本来優しい性格だったかもしれませんが、人前では頑固で怒りっぽく、あまり、朗らかなイメージはありませんでした。きっと、仕事の緊張感のせいもあったのではないでしょうか。

子ども時分、あまり、遠くに連れて行って貰った記憶もありません。

このような頑固で怒りっぽく、厳格な父親も、私が嫁ぎ、その後、退職し、母親と二人暮らしになってから、少しずつ、丸くなったような気がします。私が息子たちを連れて帰省するのを、楽しみにしてくれ、車の免許を取り、色々連れて行ってくれました。

私が子どもの時には、何処にも連れて行ってくれなかったのに、孫のため、方々連れて行ってくれました。そして、ある年、子どもたちを連れて行ってくれた日、父は、しんどいと言い、車の中で待っていました。顔色も悪く、病院へ行ったら?と言いましたが、大丈夫としかいいません。頑固でなかなか病院にもいかず、結局病気は手遅れでした。

あっけなく亡くなってしまい、喪失感のみが残りました。あの時、ありがとうとちゃんと言えていませんでした。

本当にありがとう。もっと生きていてほしかったです。

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