今は亡き先生へ

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わたしは中学生の頃から楽器を習っていて、その先生にはとても良くしていただきました。

最初は音楽で将来やっていこうとなんて思っていませんでしたが、すっかりハマってしまい高校卒業後の進路を音楽の専門学校に決めました。とは言ってもたくさんの学校があるので学校選びからも先生にはお世話になりました。その学校はオーディション式の入試だったので、先生にはメキメキ教えていただきました。そして無事オーディションに受かり、一緒に喜んでくれました。

それから、学校へ進んでもレッスンは続けていました。学校で聞けないようなことは先生に聞いて、ちょっとした悩みなんかも相談していました。同じ道を歩んできた先生だからこそ的確なアドバイスをくれて、いつしか心の支えになりました。

そしていつしかわたしは、そのお世話になった先生と同じように、「わたしも先生になりたい!」と思うようになりました。そして、少し驚かせたい気持ちもあり、レッスンを辞めて学校での授業に絞って試験に向けて猛練習しました。そしてわたしは無事、講師試験に合格しました。

その時は本当に喜んでくれて、周りの人にもたくさん自慢してくれたそうです。
そして間も無く、自分が通っていた教室から配属の依頼がきました。夢が叶ってわたしは先生と同じ教室で、同じ講師として働くことができたのです。

本当はもっと長く一緒に働きたかったのですが、その先生は亡くなってしまいました。まだまだ聞きたいことはたくさんありましたが、これも先生が与えてくれた試練だと思い、今日まで続けてこれました。

先生のことを思い出すと何年も経った今でも寂しい気持ちになりますが、同じ教室で働くことによって近くに感じられます。

先生、本当にありがとうございました。そしてこれからも側で見守っていてください。

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