22年何とかやってます

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天国の三好さんへ

私が家内と結婚したのは、22年前で二人共に40歳を超えてしました。私の姉の元同僚の三好さんが、姉がお盆に帰省した時に「弟が結婚しなくて困っているの!」と相談したことから縁談が始まったのです。

この三好さんという方のご主人が私たちの父の友人で家族ぐるみの付き合いをしていた人でした。父が太平洋戦争に出征するまで地元の高等小学校で代用教員として共に勤務したそうです。終戦後に父は役場に奉職し、三好さんは農協に勤めるご主人と結婚したのです。

このご主人と父は共に酒好きでウマが合ったらしくお祭りにはお互いの家に呼んだり呼ばれたりする中になりました。結婚して三好さんは暫くは、子育て家事に専念していたのですが、地元に初めて保育所が出来た時に、当時は私たちの町には高等教育を受けた人が少なく職員として招かれたのでした。

この時、私の姉は、東京で幼稚園に勤めていたので、父に説得され保育所のスタッフとして帰郷したのです。非常に懇意にしている人だったので何かと姉の面倒をみて頂いたそうです。その後2年で姉は、東京の大田区役所に勤める義兄と結婚して再び東京に行きました。

その後、出産、子育てと慌ただしく過ごしていた姉ですが、一段落した頃に帰省した時に私の話題が出て縁談が始まったのです。この三好さんは両手の指では足らない位のカップルを誕生させていた凄腕の人だったのです。

その時に既に父はアルツハイマー病を患い寝たきりになっていましたので、不憫と感じたようで熱心に縁談に取り組んでくれました。信仰しているお寺の奥さんの姪っ子を世話したのです。この姪っ子が家内です。

吹雪の中を私を連れて山寺につれて見合いをさせてくれました。足が不自由なのにもかかわらず積雪している山道を命がけでエスコートしてくれました。三好さんの信用が縁談をトントン拍子に進めてくれたようです。

その後、三好さんは体調を崩し、千葉に住む長男の所に身を寄せ、やがて近くの老人ホームに入居しました。姉の娘の結婚式で東京に行った時に一度会いに行きました。それが最後の対面でした。何も恩返しが出来ずに結婚してから22年が経過しました。今の私たちがあるのは三好さんのお世話のお陰です。

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